マンガ「はたらく細胞」は理学療法士・作業療法士を考えている人におすすめ!

理学療法士や作業療法士を目指しているけれど、「医療の勉強って難しそう…」「人体の仕組みってピンとこない」という不安を抱えていませんか?そんなあなたにこそおすすめしたいのが、マンガ『はたらく細胞』です。
この作品は、人間の体の中で働く細胞たちをキャラクターとして描いた、まさに“学べるマンガ”。難しい知識を自然に、しかも楽しく理解できるだけでなく、医療職のやりがいやモチベーションにもつながる一冊です。
今回は、理学療法士・作業療法士を目指す方に向けて、『はたらく細胞』がどうしておススメなのかについてご紹介します。
「はたらく細胞」ってどんなマンガ?
「はたらく細胞」は、清水茜さんによる人気マンガで、人間の体内で働く“細胞たち”を擬人化して描いているユニークな作品です。赤血球や白血球、血小板といったおなじみの細胞から、ナイーブT細胞やマスト細胞など、教科書では馴染みのない専門的な細胞までが登場し、それぞれが自分の役割を持って働いている姿が描かれています。
理学療法士や作業療法士を目指す人にとって、「はたらく細胞」は単なるエンタメではなく、体の構造や働きを楽しく理解できる教材とも言えます。何気なく読んでいるうちに、知らないうちに人体の知識が身についてしまう、まさに“学びながら楽しめる”マンガなのです。
登場キャラ=人体の細胞!楽しみながら学べる
「はたらく細胞」では、細胞たちがまるで人間のように話し、考え、行動します。例えば、赤血球は酸素を運ぶ配送員、白血球は外敵と戦う警備員、血小板は現場で修復作業を行う小さな作業員のように描かれています。このように、各キャラクターが細胞の役割に沿った性格や仕事をしていることで、読者は細胞の機能を直感的に理解できます。
たとえば、白血球(好中球)がウイルスをやっつける場面では、免疫反応がどのように進行するかを感覚で理解できます。赤血球が酸素を運ぶ道のりで迷子になる姿を見ると、血液循環の仕組みを自然とイメージできるのです。キャラクターのやりとりを通して、教科書で読んでもなかなか頭に入らない内容が、楽しく記憶に残っていきます。
また、キャラが可愛らしかったり、熱血だったりと、感情移入しやすいのもポイント。自然と応援したくなる気持ちが学習へのモチベーションにつながります。
理学療法士や作業療法士を目指す人におすすめな理由は?
理学療法士や作業療法士を目指す人にとって、人体の理解は必須です。でも、解剖学や生理学は難しい用語も多く、挫折しやすい分野でもあります。「はたらく細胞」はそんな人にとって、わかりやすく人体を理解する入り口になります。
細胞たちの働きを目で見て、ストーリーで体験することで、机上の知識が現実味を帯びてきます。たとえば、筋肉痛がどうして起こるのか、風邪をひいた時に体がどう反応しているのかなど、身近な症状のメカニズムを理解するきっかけになります。
理学療法士・作業療法士に必要な人体の知識が自然に身につく
専門用語が並ぶ解剖学や生理学の教科書をいきなり読み始めるのは正直ハードルが高いですが、「はたらく細胞」は血管、筋肉、免疫系、神経系など、体の中で起きていることをストーリー形式で学ぶことができます。
例えば、細菌が体内に侵入するエピソードでは、白血球やT細胞、マクロファージなどがどのように働くのかが明確に描かれています。しかも、それぞれの細胞がキャラクターとして登場するため、難しい名称も親しみやすくなります。「好中球ってどんな働きをするの?」と聞かれたら、マンガのシーンを思い出すことで自然と説明できるようになります。
特に生理学のような「目に見えない働き」を理解するには、イメージ力が重要です。「はたらく細胞」はそのイメージを補完してくれる優秀な教材と言えるでしょう。難解な知識の入口として、楽しく入りやすい構成になっているため、これから学び始める高校生や社会人にこそぴったりなのです。
ストーリー仕立てで記憶に定着
「はたらく細胞」は、ただキャラが出てくるだけではありません。しっかりとした起承転結のあるストーリーが毎話展開されることで、知識が物語の流れと一緒に頭に残ります。これは、ストーリー記憶という脳の仕組みをうまく活用している方法です。
例えば「花粉症」の回では、マスト細胞が暴走してしまい、体内で大騒ぎが起きます。このエピソードを読むことで、「アレルギー反応は、体が過剰に反応している状態だ」と自然に理解できます。しかも、マスト細胞が暴走キャラとして描かれているため、「こいつまたやってる!」という感情とともに記憶に残ります。
「知っている」から「使える知識」へつながる
教科書で学ぶ知識は、「知っている」状態で終わってしまうことがよくあります。でも、実際の現場では知識を「使える」状態にする必要があります。そのためには、知識をただ暗記するのではなく、状況に応じて応用できるようにする必要があります。
「はたらく細胞」は、まさにその橋渡しをしてくれる作品です。マンガを読むことで、体の反応や病気の仕組みを具体的な状況の中で理解できるようになります。例えば、「インフルエンザウイルスが体内に入ったとき、どう反応するのか?」という問いに対して、登場キャラたちのやりとりを思い出すことで、流れとして答えることができるようになります。
イラストで覚える細胞と働き
人間の脳は、文字情報よりも視覚情報のほうが記憶に残りやすいと言われています。「はたらく細胞」は、キャラクターたちのイラストが非常に特徴的で、一度見たら忘れにくいデザインが魅力です。たとえば、白血球(好中球)は白い服に血だらけの刃物という見た目で、敵に容赦なく立ち向かう姿が強烈に印象に残ります。
こうしたビジュアルは、細胞の性質を直感的に伝えてくれます。赤血球は迷子になりがちでのんびりした性格、それが酸素や二酸化炭素を運ぶ役割とリンクしていて、「のんびり運んでる感じ」がイメージできます。血小板は小さくて可愛らしく、子どものような姿で登場するのも納得感がありますよね。
教科書で「白血球=免疫防御」や「赤血球=酸素運搬」と読んでもピンとこない部分が、キャラクターの姿や行動を見ることで、一気に理解しやすくなるのです。これは単なる娯楽マンガではなく、視覚的な記憶補助教材として活用できる、大きなポイントだと言えるでしょう。
難しい内容もキャラで感情移入できる
医療や人体の話は、どうしても専門的で冷たく感じられることがあります。しかし、「はたらく細胞」では、そんな世界が一気に人間味あふれるものになります。なぜなら、細胞たちがまるで自分と同じように悩んだり、喜んだり、失敗したりするからです。
たとえば、ナイーブT細胞は最初は自信がなく臆病なキャラとして登場します。でも、戦ううちにキラーT細胞として成長していく姿に、多くの読者が共感を覚えます。「自分も最初は不安だったけど、頑張って乗り越えた」という体験と重なることで、記憶に深く刻まれるのです。
こうしたキャラに感情移入することで、彼らが担う機能や役割も自然と理解できるようになります。マクロファージの優しさや、樹状細胞の情報伝達能力など、「なるほど、こういう性格だからこの役割なんだ」と腑に落ちるのです。感情を伴った記憶は、試験のときや実習のときにもふとよみがえる、大きな武器になります。
まとめ
理学療法士や作業療法士を目指す高校生や社会人にとって、人体のしくみや医療に関する知識は避けて通れません。でも、その入り口として、いきなり分厚い教科書に挑むのは少しハードルが高いですよね。
そんなとき、「はたらく細胞」は最高の入門ツールになります。体の中で働く細胞たちをキャラクターとして描くことで、難しい知識もわかりやすく、楽しく学ぶことができます。そして、ただ知識を覚えるだけでなく、命を守るという医療職のやりがいやチームで支える意義まで伝えてくれるマンガなのです。
ストーリーに感情移入しながら記憶に残しやすく、学習へのモチベーションも高まる──それが「はたらく細胞」の最大の魅力です。自分の将来像を考えるうえでも、確かなヒントを与えてくれるこの作品を、ぜひ多くの人に手に取ってほしいと思います。